マラッカMelaka
マレー半島南部にある世界遺産の町、マラッカ。世界中から観光客が訪れるマレーシア随一の観光スポットです。15世紀にマラッカ王国が誕生し、マラッカ海峡を東西貿易の要衝として大きな富を築きます。16世紀に入ると、ポルトガル、オランダ、イギリスの統治が続き、西洋と東洋のエッセンスが共存する、世界でも類をみない多様性に満ちた町になりました。
アクセス方法
KLIA(KL国際空港)/KLILA2から
●バス
所要時間 約2時間半~3時間
料金 RM24.10
●タクシー 約1時間半
所要時間 およそRM350~400
料金 およそRM350~400
クアラルンプールから
●バス(TBSターミナルより)
所要時間 約2時間
運行間隔 30分~1時間
料金 RM11~14
●タクシー
所要時間 約2時間
料金 約RM250(片道)
マラッカ市内の交通手段
一般的にはタクシーが便利ですがメーター制ではなく交渉制ですので、必ず乗車前に料金を確認してから利用してください。
目的地までの料金が表示される、スマートフォンの配車アプリ「グラブ(Grab)」も便利です。
他にも、世界遺産地区内は「トライショー」という自転車タクシーを是非体験してください。
世界遺産地区
2008年、マラッカはペナン島ジョージタウンとともにユネスコ世界文化遺産に登録されました。オランダ広場のカラフルな建物、ノスタルジーをかきたてる風情ある町並みは、マレーシアが誇る歴史遺産です。通りの名前は、その歴史をひもとく鍵に。観光名所はどこも徒歩圏内なので、のんびりと歴史散歩を楽しみましょう。
オランダ広場周辺
マラッカを象徴する場所、オランダ広場。17~18世紀にかけての歴史的建物が美しく保存されている観光の中心地です。広場にある「I love Melaka」の像は人気の記念撮影スポット、トライショー乗り場でもあります。
マラッカキリスト教会Melaka Christ Church
オランダ広場でひときわ目を惹くサーモンピンクの教会。1753年、オランダ統治時代に建てられたもので、現在も信者が静かに祈りを捧げています。建設当時のまま残る天井の梁は、継ぎ目のない一本の木から作られています。
スタダイスStadthuys
東南アジア最古のオランダ建築の建物。1650年、当時のオランダの総督邸として建てられたもので、現在は歴史・民俗誌博物館になっています。マレーシアの歴史、工芸品、民族衣装などがパネルで解説されています。
開館時間
9:00-17:30
入館料
有料
マラッカ川Melaka Rivers
マラッカ中心部を流れる全長50㎞の川。川沿いは遊歩道になっていて、川べりの建物に描かれた壁画アートを見ながら散歩ができます。夜はライトアップされ、川岸に並ぶレストランのテラス席をロマンティックに照らしています。
オールドタウン周辺
オランダ広場から橋を渡ると、昔ながらのショップハウスが連なるオールドタウンが広がっています。オランダ人によって形成された町で、当時のままのノスタルジックな建物が多数。町を歩いていると、タイムスリップをしたような気分になります。
ヒーレン通り(トゥン・タン・チェン・ロック通り)
オールドタウンの目抜き通り。両脇に連なるショップハウスの景観が見どころ。装飾が見事で、なかにはオランダ、イギリス、中国式がミックスしたユニークなものも。通り名のヒーレンとはオランダ語で「紳士」。富豪の家が多く「億万長者通り」とも言われています。
ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館Baba Nyonya Heritage Museum
プラナカンであるチャン氏の私邸を公開した博物館。3棟からなる邸宅で1861年に建築。プラナカン陶器の洗面ボール、イギリス製のタイル、彫刻と金箔で彩られた階段など貴重な調度品を見ることができます。
開館時間
10:00-17:00
(最終ツアー16:00/最終入場16:15)
[金土日] 10:00-18:00
(最終ツアー17:00/最終入場17:15)
【現在閉鎖中】
カサババギャラリーCasa Baba Gallery
ヒーレンストリートにある自撮り専用の写真館。館内には螺鈿細工のテーブルや椅子、ベッドが置かれていて、ニョニャクバヤ等の衣装を着て好きな場所で写真撮影が可能です。館内の一部調度品はアンティーク。
開館時間
現在閉鎖中
入館料
RM15(レンタル衣装代含む)
チー・アンセストラル・マンションChee Ancestral Mansion
ひときわ目を惹く白亜の建物。ここは、現在シンガポールに拠点をもつOCBC銀行創設者の一族、チー氏の邸宅です。中国、ポルトガル、オランダ、イギリスといった複数の建築様式を見事に融合させています。※私邸なので門の外から眺めるだけです。
ジョンカー通り(ハン・ジェバット通り)
オランダ広場から川を渡り、まっすぐのびる通り。伝統家屋のショップハウスが並び、1階の店舗は、雑貨店や庶民的な食堂として、現在もにぎやかに営業しています。オランダ語で「商業」という意味の通り名のように商売をする店が多くあります。
商店やカフェ
ジョンカー通りは買い物天国。ニョニャ食器、民族衣装、アジアン雑貨など、あらゆる買い物ができます。名物料理のチキン・ライスボール、チェンドル(かき氷)のカフェも人気。週末の夜はナイトマーケットが開催され、多くの人でにぎわっています。
ハーモニーストリート(トコン通り/トゥカン・エマス通り)& その周辺
ハーモニー通りには、中国寺院、モスク、ヒンドゥー寺院と、さまざまな信仰の場が仲良く並んでいます。かつて、この通りの川沿いは荷下ろし場になっていて、異なる宗教をもつ船員たちはそれぞれの神様に航海の無事を祈ったそうです。
チェン・フーン・テン(青雲亭)寺院Cheng Hoon Teng Temple
1646年に建てられたマレーシア最古の中国寺院。道教、儒教、仏教の神様がともに祀られた非常にめずらしい寺院で、中国南部独特の重厚な建築様式を取り入れています。外観の飾りに陶器を使うなど、凝った装飾は見ごたえがあります。
開館時間
7:00-19:00
カンポン・クリン・モスクKampung Kling Mosque
マラッカのモスクはスマトラ様式が多く、マラッカ王国初期のデザインです。ここもそのひとつで、三角の屋根、パゴダ型の白いミナレット(尖塔)がスマトラ様式の特徴。1748 年にインド系のイスラム教徒によって建設されました。
スリ・ポヤタ・ヴィナヤガール・ムーティ寺院Sri Poyyatha Vinayagar Moothi Temple
マレーシア最古のヒンドゥー寺院で1781年に建立。ヴィナヤガールとはガネーシャとも呼ばれ、商業と学問の神様です。
バックレーンBack Lane
マラッカの日常を描いた壁画アートがある小路。民家の白い壁が垂直に並んでいるのは、英国領時代に、背中合わせの家を切断して通りを作ったためです。ハーモニー通りとカンポン・クリ通りの間にある人気の撮影スポットです。
セントポールの丘周辺
オランダ広場から階段で丘に上ると、1521年にポルトガルによって建てられたセントポール教会跡があります。マラッカの街や海が一望できる展望スポットで、ここから眺める夕日の美しさは格別。丘のふもとにはサンチャゴの砦があります。
セントポール教会跡St.Paul's Church
重厚な外壁が残るカトリック教会跡。その隣にフランシスコ・ザビエル像があります。ザビエル像の右手が無いのは、かつて埋葬された彼の遺体がローマ法王の元に届いたとき、右手が無いことが判明。同じ時期、このマラッカのザビエル像に雷が落ち、右手を直撃。粉々に飛び散ったそうです。教会跡は丘の上にあり、マラッカ海峡を望むことができます。
サンチャゴ砦Porta de Santiago/A'Famosa
1511年、ポルトガルが上陸した際に作った要塞の跡。当時はここが海岸線で、背後の丘を取り囲むように築かれていました。防壁は19世紀にイギリスによって壊され、現在は石造りの門と大砲のみが残っています。
独立宣言記念館Proclamation of Independence Memorial
英国領時代に建てられたコロニアル建築物。当時は社交クラブとして使われていました。現在は歴史資料館になっていて、古い紙幣や歴史的な写真が展示されています。初代首相のトゥンク・アブドゥル・ラーマンは、イギリスから独立する条約を持ち帰り、この建物の前で独立を発表。翌年の1957年、マラヤ連邦として独立を果たしました。
開館時間
9:00-17:30 月曜休み
入場料
無料
マラッカ・スルタンパレスMelaka Sultan Palace
15世紀のマラッカ王国の王宮を復元した木造建築物。内部は文化博物館になっていて、当時の王族の寝室、謁見の間を再現したジオラマ、当時のスルタンの衣装や武器、石碑などが展示されています。
開館時間
9:00-17:00
入場料
大人RM5 子供RM2
郊外
中心部からすこし足を延ばすと、また違った景色が見えてきます。マラッカと日本のつながりを示す教会、マレー式の伝統的な高床式住居の集落、そして、海辺にある美しいモスク。どれも中心部からタクシーで数分の距離です。
フランシスコ・ザビエル教会St.Francis Xavier's Church
ゴシック様式の美しい礼拝堂。1849年、フランシスコ・ザビエルの功績をたたえて建てられたカトリック教会です。敷地内には、ザビエルを日本への布教に導いたといわれる日本人ヤジロウの像が、ザビエル像の隣に並んでいます。
カンポンモルテンKampung Morten
マラッカ川沿いに「カンポン・モルテン」とよぶエリアがあります。マレー人の集落で、そのなかの「ヴィラ・セントサ」はご家族の好意で内部の見学が可能。貴重な高床式住居の生活様式を見ることができます。気持ち程度の謝礼を渡しましょう。
※オプショナルツアーにてご参加ください。
マラッカ海峡モスクMelaka Straits Mosque
マラッカで一番美しいモスク。マラッカ島とよばれる出島にあり、マラッカ海峡に浮かんでいるように見えます。夕方に到着するのがおすすめで、夕日に染まるモスク、そして夜空にライトアップされた幻想的な姿を見ることができます。
アクセス
タクシーが便利です。
※かならず往復で手配してください。
観光のポイント
世界遺産の町マラッカには、たくさんの見どころがあります。町並み、建築、アート、グルメすべてに、マラッカならではの魅力があるのです。マラッカの旅をより楽しくするために、知っておきたいキーワードを紹介します。
❶ 街の構造を知りながら街を歩く
オランダ人が作った街
約400年前、マラッカを制したオランダ人が形成した町、オールドタウン。現在も、通りの名前にオランダ語を見ることができます。当時、身分によって住む場所を区分したため、ヒーレン(Heeren:紳士)通り、ジョンカー(=ヨンカー Jonker:商業)通り、カンポンクリ(Kuli:労働者や職人)通りになっています。通りに並ぶ家の様式にも、その名残を見る事ができます。
伝統家屋ショップハウス
オールドタウンの町並みを彩るショップハウス。基本的には1階が店舗、2階以上が住居になっている建築様式で、ペナン、KL、イポー、ジョホールなどマレーシア全土でみられます。マラッカのショップハウスは古いものが多く、なかには1階の屋根より2階が奥まった17世紀のオランダ様式も。その後、住居を買い取った中国人が1階の屋根をとり、2階部分を前に出すなど改築したショップハウスもあります。細かく見比べてみましょう。
ショップハウスの特徴である間口の幅とファイブ・フットウェイ
ショップハウスは間口が狭く、奥に長いのが特徴です。これはオランダ統治時代、間口の幅で税金が決まっていたためです。また、ショップハウスの外観を特徴づけるのが、日よけ、雨よけの役割があるアーケード状の通路。英国統治時代に5フィートの幅で設置が義務付けられていたため、「ファイブ・フットウェイ」と呼ばれます。
プラナカンとよばれる人々
15~16世紀、中国から渡ってきた人々が現地の女性と結婚してうまれた子孫のこと。男性はババ、女性はニョニャと呼ばれ、中国とマレー、西洋を融合させたユニークで豊かな文化を築きあげました。類まれなる美的センスで、ニョニャクバヤ、ビーズサンダル、ニョニャ食器、プラナカンタイルなど、いくつもの美しい文化を今に伝えています。
❷ エピソードを楽しむ
マラッカの地名の由来
さかのぼること15世紀、狩りをしにマラッカへ訪れた王子パラメスワラが木陰で休んでいると、彼の猟犬が豆鹿を見つけ、追っていきました。ところが、豆鹿は勇敢にも犬を撃退し、逃げていったのです。王子は豆鹿の勇気に驚き、この地に王国を建てることを決意。王子が休んでいた木の名前が「マラッカ」だったため、この地をマラッカと名付けます。今でもマラッカの木は町のいたるところにあり、豆鹿はマラッカ州の動物になっています。
ザビエルとヤジロウとの出会い
鹿児島に生まれたヤジロウは、日本で罪を犯し、ポルトガル船に乗ってマラッカへたどり着きます。懺悔の思いを抱えたヤジロウは、マラッカでフランシスコ・ザビエルと出会い、セントポール教会で洗礼を受けました。日本人初のカトリック信者となったヤジロウは、1549年、ザビエル一行をともなって日本へ布教の旅に出ます。ザビエルが日本での布教を決意したのは、ヤジロウという存在があったのです。
オランダ広場のサーモンピンク色の建築物
マラッカのシンボルカラーともいえる、オランダ広場の建物の色。建設当時のオランダ占領時代、これらの建物はすべて灰色でした。ところがその後、イギリス植民地時代に労働者たちが嚙んでいたビンロウの色で建物の外壁のあちこちが赤く汚れしまい、その汚れを隠すために、現在のサーモンピンク色に塗り替えた、といわれています。
通りに3つの名前があるのはなぜ?
オールドタウンには、ヒーレン通り、億万長者通り、トゥン・タン・チェン・ロック通りという、3つの名前をもつ通りがあります。「ヒーレン」とはオランダ時代の名前で紳士という意味。身分の高い紳士たちがここで暮らしていました。それから裕福なプラナカン達が暮らしたため「億万長者通り」に。次に、マレーシア独立に重要な役割を果たしたプラナカン、トゥン・タン・チェン・ロック氏の偉業をたたえ、現在の正式名は「トゥン・タン・チェン・ロック通り」になっています。
❸ アートやグルメを楽しむ
マラッカ川沿いのアート&ライトアップ
マラッカ川沿いの壁画アートは絶好の写真スポット。とくにカラフルな色で目を惹くのが、アメリカのコスメメーカー「KIEHL'S」が文化保存活動の一環で描いたアートです。リバークルーズでは壁画アートが連なった景色を楽しめます。マラッカ川は、夜になるとライトアップされて幻想的な姿に。デザイン性に優れた橋にも注目しましょう。
ローカルグルメを楽しむ
世界遺産の町マラッカは、食文化も世界遺産級。マレー半島の食材に、中国の技と伝統が融合したニョニャ料理。ポルトガルの末裔が作り上げたクリスタン料理もマラッカならではの味です。また、ストリートグルメも美味ぞろい。サテー、チキンライスボール、チェンドル(かき氷)がおすすめ。サテ・チュルップはマラッカ人がこよなく愛する濃厚鍋です。
アクティビティ
世界中から観光客が訪れるマラッカには、町を深く知るためのヘリテージツアー、マラッカの歴史を物語りにした舞台ショー、ニョニャ料理教室などのプログラムが充実。体験型観光で、マラッカの魅力をたっぷり感じましょう。
リバークルーズMelaka River Cruise
マラッカの景色を川から眺めてみませんか。流れゆく景色のなかで、オランダ建築、ゴシック式の教会、マレー式の伝統家屋を見ることができ、マラッカの文化的多様性を実感します。また、ポルトガル時代に架けられた橋「パサール・ブリッジ」の建築美も見どころ。ライトアップされた建物が美しく輝く、ロマンティックな夜のクルーズもおすすめです。
営業時間
9:00-23:30
所要時間
45分
乗り場
オランダ広場横
料金
大人RM30 子供RM25
オンラインで購入可能
アンコール・ムラカEncore Melaka
2019年にスタートした舞台「アンコール・ムラカ」。マラッカの歴史を描いたショーで、7つのストーリで構成されています。東南アジア初の360度の舞台で、200名のダンサーがパフォーマンスをくり広げる様は迫力満点。最新の技術を駆使した壮大な映像美も楽しめます。マラッカの激動の歴史を舞台で体感してみましょう。
ショータイム
[月-土] 17:30/20:30 [日] 14:30/17:30
チケット
RM148~
所要時間
約70分
アクセス
一部ホテルからシャトルバス運行あり
マラッカタワーMenara Taming Sari
地上80mの高さの回転式展望タワー。大人数が乗れるゴンドラで、ゆっくり回転しながら上昇。頂上では360度のパノラマビューで、世界遺産のマラッカの町並みやマラッカ海峡を行き来する船舶を眺めることができます。
営業時間
10:00-23:00 無休
料金
大人RM23 子供(12歳未満)RM15
トライショーTrishaw
オランダ広場で派手な姿で待機しているのがトライショー。人力でこぐ自転車タクシーです。目的地までの移動で利用したり、時間制でのチャーターが可能。華やかな装飾は夜は電飾ピカピカに。トライショーから見るマラッカの景色もまた格別です。
乗り場
オランダ広場、サンチャゴ砦周辺
料金
30分 約RM20~30
ジョンカー・ナイトマーケットJonker Night Market
週末にマラッカに訪れたなら、ジョンカー通りで開催されるナイトマーケットは見逃せません。点心、ちまき、パイナップルタルト、クエ(伝統菓子)、さとうきびジュースと露店が並び、マラッカグルメの食べ歩きが楽しめます。日用品店、雑貨店も多くあり、公開のカラオケステージもあるので、多くの地元の人でにぎわっています。
開催時間
金・土・日 18時頃から24時頃まで
ヘリテージツアーHeritage Tour
マラッカでは、街の歴史や文化を深く知るガイドによるヘリテージツアーを行っています。ガイドが一緒に町を歩きながら解説。観光客が入れないような場所にも案内してくれるのでおすすめ。詳しくは宿泊ホテルのフロントでおたずねください。
※カサ・デル・リオホテル宿泊客のみ
※最少催行人数:4名
※実施3日前までに申込が必要です
時間
9:00-12:00(予定)
料金
RM63/人
クッキングクラスCooking Class
マラッカの名物グルメ、ニョニャ料理を深く知りたいなら、料理教室に参加してみましょう。めずらしい現地のスパイスやハーブを使い、目の前で作り上げる料理の味は、思い出に刻まれることでしょう。できれば事前予約をおすすめします。